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FSC認証とは?仕組みやメリットを簡単に解説します

FSC認証とは?仕組みやメリットを簡単に解説します

  • よく聞くFSC認証って一体どんなもの?
  • FSC認証にはどんなメリットがあるの?

上記の疑問を解決します。

最近よく聞く「FSC認証」という言葉ですが、この意味や仕組みを詳しく理解している人は少ないです。

そこでこの記事では、FSC認証紙の製造に携わっている私が、FSC認証の意味や仕組み、メリットについてわかりやすく解説していきます。

この記事を読むことで、FSC認証とは一体何か?について知ることができます。

FSC認証とは?

FSC認証とは?

FSC認証とは、簡単に言うと「森林を守る仕組みのこと」です。

FSCとは、「Forest Stewardship Council」の頭文字を取ったものであり、森林管理協議会という国際的組織です。

この組織は、責任ある森林管理を世界に普及させることを目的とする、独立した非営利団体であり、国際的な森林認証制度を運営しています。

この森林認証制度のことをFSC認証と言い、 FSCマークをつけた認証製品として販売できる制度となっています。

この制度では重要な点が2つあります。

  • 適切な管理下のもと生産されたと認められた木材を使用していること
  • 流通、加工などにおける全工程もFSC側が承認した企業で製造されていること

この条件をクリアすることで、初めてFSCマークを製品につけることができるのです。

消費者はこのFSCマークがついた製品を自ら選んで購入することで、間接的に森林保全が応援できるシステムになっています。

FSC認証が注目されている背景

FSC認証が注目されている背景

私たちは森林の様々な恵みを利用し日々暮らしており、森林は人間にとって欠かせない存在です。

しかし、年々、森林破壊は進み、世界レベルでの大きな問題となっています。

森林破壊が進むことは生物の生態系や、人間の生活にも影響を及ぼしており、こうした状況において、私たちは森林の減少および荒廃が進行しないように努力していかなければなりません。

つまり、人間が今後も森の恵みを利用して、生活していくために、森林を適切に管理していくことが求められているのです。

また、森林破壊は以前から注目を浴びていた事柄でしたが、2015年、国連サミットで採択された「SDGs(持続可能な開発目標)」によって、近年、特に注目が集まっています。

SDGsとは、2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人として取り残さない」ことを誓っています。

FSC認証の3つのメリット

FSC認証の3つのメリット
FSC認証のメリットは以下の3つです。

  • 世界の森林保全に貢献できる
  • 気候変動を抑制する
  • 企業イメージの向上

以下で詳しく解説していきます。

世界の森林保全に貢献できる

FSCは、適切な管理下のもと生産された製品であることを証明するものです。

つまり、FSC認証を受けている製品を選ぶということは、適切な森林管理を行っている企業を支援し、違法伐採の抑止力となり、森林保全のために協力していることになるのです。

気候変動を抑制する

森林破壊は、気候変動にも大きな影響を及ぼしています。

IPCCの調査によると、

2007年〜2016年に人類のさまざまな活動によって排出された二酸化炭素のうち、13%は農業や林業などによる土地利用に起因するとされています。

参考:IPCC 「土地関係特別報告書」の 概要

二酸化炭素排出によって、地球温暖化は進んでいます。

その深刻さは言うまでもなく、私たちは、森林を守ることで、この地球温暖化と言う気候変動をこれ以上進まないようにしていかなければならないのです。

FSC認証の2つのデメリット

FSC認証の2つのデメリット
FSC認証には以下の2つのデメリットがあります。

  • 管理制度が厳格
  • 年間ライセンス料が必要

以下で詳しく解説していきますね。

管理制度が厳格

FSCは厳格な管理のもと成り立っているため、FSCロゴマークを製品に付けたい場合、木材の伐採から製品に至るすべての工程に関わる企業が、FSC側から承認を受けている必要があります。

FSC認証を受けた素材を使ったからといって、自由自在にロゴマークをつけられるというわけではないのです。

また、製品を作る際、FSC側からの審査に合格しないと、FSCロゴマークをつけた製品を作ることはできません。

そのため、通常納期より時間がかかってしまいます。

年間ライセンス料が必要

前述したように、FSCは厳格な管理体制のもと成り立っています。

企業はこのマークをつけるために、年間ライセンス料を支払う必要があります。

金額については、企業や内容によって異なるため、FSCジャパンに相談してみましょう。

FSC認証を取得するには?

FSC認証を取得するには?
FSC®森林認証には「FM」と「CoC」と呼ばれる2つの種類があります。

FMは「Forest Management」の略で「森林管理」、CoCは「Chain of Custody」の略で「製造・加工・流通過程」の認証です。

FM認証(森林管理)とは

違法伐採などを行わず、適切に管理された森林から木を伐採し、森林の保全に努めているかどうかの認証

CoC認証(製造・流通・加工過程の管理)とは

認証された木や紙(認証材)が製造・流通・加工過程において、他の木や紙(非認証材由来)と混ざらないように適切に管理されているかの認証

FSCが定める「責任ある森林管理」の条件を満たした認証林から生産されたものは、FSC FM認証の木材となります。

しかし、この木材が、消費者のもとに届くまでの製品の製造過程で、異なる木材が混ざる可能性があります。

この混在を防ぎ、区別するための認証がCoC認証となります

どちらの認証を取得すれば良いのかは、FSCジャパンに問い合わせてみましょう。

FSC認証製品を選び、森林を守ろう

FSC認証製品を選び、森林を守ろう
FSC認証に関して、メリット・デメリット、認証の種類などについて紹介してきました。

企業は、FSCマークのついた製品を作ることで、森林保全に貢献でき、消費者は木材生産に直接関わっていなくても、FSCマークのついた製品を選択することで、森林環境を守る取り組みを支えることができます。

これから買い物をする際には、FSCマークがついているかをぜひ確認して、これからの未来のために森林を守っていきましょう。